わくわく木版画

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木版はがき:ひょうたん


木版はがき「ひょうたん」  ホーム頁 http://kobo-yuu.kir.jp
150円

 ぶらり という言葉はひょうたんにも使うのだろうか。ぶらり と書き出すうちに気になった。糸瓜ならいかにも「ぶらり」という風情がある。でもひょうたんの風情はちょっと違っている。もう少し愛嬌が備わっているように思う。
 
 子どものころ、ひょうたんを育ってたことがある。初めてだった。心配を余所に、ひょうたんはすくすく育ち、屋根を越して伸びていった。花が咲き、小さな実が成り出すと、小さきものは小さきままにやはりひょうたんの形をしているのがおもしろく、毎日おおきくなってゆくのを眺めて飽きなかった。そのひょうたんは千成で、秋口になると鈴なりになった。

 カラカラと乾いたひょうたんにするのは実は大変な作業で、中の果肉を腐らせて空洞にするのは楽ではなかった記憶がある。ひょうたんにも大小さまざまな種類があるのを知ったのは、かなり後になってからのことだった。一抱えもある大きいものは、どうやってあの細い茎にぶら下がっていられたのか、と驚いてしまう。しかし、ぶら下がりに風情があるのはやはり小型のものである。

 このはがきは、まだ青いひょうたんだが、若い実はちょっと透き通るような浅黄色の色合いが美しい。ここでも色版の数をセイブするために黄色との重ね色をりようしています。