わくわく木版画

木版画入門教室やっています。https://iihanga.com/

木版画と色使い:色の使い方は人それぞれ

木版画:ラディシュ 生徒作品:M/M 木版画の色は、筆書きの色とは違う。 同じ絵の具を使っても、描画と版画では発色が異なる。 わたしが描画より版画に惹かれたのも、木版画の発色の美しさのせいだった。 あえて変な言い回しになってしまうのだが、 「木版画…

絵の具の濃度で同じ図柄でもイメージは異なる

水辺の風景=睡蓮池とトンボ 生徒作品:T.S ★東西の木版画 昔ながらの日本の木版画の魅力は、水性絵の具を使った色であること、そして、和紙に摺ることによって得られる効果が最も大きい。そのことによって、必然的に西洋の木版画とは趣を異にする作品が生ま…

啄木と漱石へのオマージュ木版画展:本郷三丁目立野画材店

石川啄木さんへのオマージュ 「時代閉塞の現状を 奈何にせむ 秋に入りてことに斯く思ふかな」 東京は、文京区の本郷三丁目、といってもわからない人にはわからないね。 「本郷三丁目」という地下鉄の駅を出て、東京大学へ通う道筋です。 あ、失礼! 通うって…

ぼかしの技術:こすり込むようにぼかす

ぼかしは、木版画の表現の中でとても大切な技術です。 筆で絵を描く時のように、感覚の赴くままに、好きなように好きな色を重ねていく、 そういった芸当は、木版画ではできません。 一つの版は、一つの色になるからです(基本的には)。 そこでぼかしの技法が…

木版画:展覧会

木版画「ネコ」 工房ゆうホームページ http://kobo-yuu.kir.jp4,500円(額付き・送料別) 大変な世の中になっていますが、東京は桜が散り、 新緑の芽吹きが日々新鮮です。緑の芝生には、たった一輪なのに、 赤いチューリップがまぶしく目に飛び込んできます…

木版はがき:ミニトマト

木版はがき「ミニトマト」 工房ゆうホームページ http://kobo-yuu.kir.jp150円 久しぶりの、ほんとに久しぶりのブログです。 年明けから今年は調子が出なかった。もともと弱点の喉・鼻が正月明けから妙に調子が狂った。犬のように鼻が渇いて詰まる。喉は、痰…

木版はがき:水芭蕉

木版はがき「水芭蕉」 工房ゆうホームページ http://kobo-yuu.kir.jp 200円 久しぶりのブログです。何ヶ月経ったのか? ちょっとあきれるが、いろんなことやらなきゃならないのに、時は無常にも非情にもこちとらの思惑など無関係にロケットダッシュで過ぎて…

木版はがき:クルマユリ

木版はがき「クルマユリ」 ホーム頁 http://kobo-yuu.kir.jp 150円 まもなく、6月が終わる。一年の折り返しになるから、ある程度年をくった人ならいやでも「あー、今年ももう半年が過ぎてしまった!」という述懐を抱いてしまうだろう。本当に、年が明け、春…

木版はがき:蚊取り線香

木版はがき「蚊取り線香」 ホーム頁 http://kobo-yuu.kir.jp 150円 暖冬の影響も大きいのだろうが、私の住む大都会の中心部でさえ、近年は冬の蚊を目撃することがある。しかも、通常1〜2階の高さまでしか飛来しないと言われている生物なのに、5階や10階…

木版はがき:枇杷

木版はがき「枇杷」 ホーム頁 http://kobo-yuu.kir.jp 200円 少年期まで育った田舎の家には、枇杷の木が2本あった。一本は家の裏手で、二階家と同じぐらいの高さがあった崖の下で、しかも便所の裏側という環境。崖下のその場所には、柿の木も育ち、タラの木…

木版はがき:ねこじゃらし

木版はがき「ねこじゃらし」 ホーム頁 http://kobo-yuu.kir.jp 150円 梅雨時になると、更地になった空き地には、タンポポなどの地を這う植物を覆い隠すかのように背の高い植物が繁茂してくる。その中の一種が「ねこじゃらし」だ。図鑑などを見ると、「エノコロ…

木版はがき:ひょうたん

木版はがき「ひょうたん」 ホーム頁 http://kobo-yuu.kir.jp 150円 ぶらり という言葉はひょうたんにも使うのだろうか。ぶらり と書き出すうちに気になった。糸瓜ならいかにも「ぶらり」という風情がある。でもひょうたんの風情はちょっと違っている。もう少…

木版はがき:向日葵

木版はがき「向日葵」 ホーム頁 http://kobo-yuu.kir.jp 200円 ムワッと湿気が肌に貼りつくような空気の中、夕べ、隅田川の花火大会が終了した。雷雨の気配がずっとしていたのに、とうとう降らずに済んだから、主催者はホッと胸をなでおろしていたことだろう…

木版はがき:花火

木版はがき「花火」 ホームページはhttp://kobo-yuu.kir.jp 200円 梅雨が明けて、カーッと陽射しが照り付けると、すぐに花火の季節になる。なんのかんのと予報が騒ごうが、結局東京の梅雨は夏休み直前に明けるのである。だから、来週の土曜日はもう花火大会…

木版はがき:ほおずき

木版はがき「ほおずき」 200円 7月を待たず、新聞紙上には、早くも「ほおずき市」のニュースが流れた。といっても、浅草のそれではない。ほおずき市はあちこちで行われるので、その走りが記事になったのである。 最も有名(といっても関東ではと言うべきだ…

木版はがき:ニッコウキスゲ

木版はがき「ニッコウキスゲ」 200円 日光の霧降高原は、ニッコウキスゲの花が山の中腹から山頂まで続く。リフトで移動すると、山腹から頂上までの間で、花の開き具合が違っている。タイミングの良い時期に訪れると、満開の花の中から、山頂近くの蕾状態の咲…

木版はがき:笹飾り

木版はがき「笹飾り」 150円 年に一度の出来事。 いろいろあると思う。 思いつくのは人それぞれ、誕生日でもいいし、結婚記念日でもいい。ま、たいていの記念日がこれに入るから、365以上の出来事を思つくことが出来るわけである。なにしろ日本では、「何か…

番外編:「谷中、花と墓地」

「谷中、花と墓地」 サイデンステッカー著 みすず書房(http://www.msz.co.jp/) 2,520円(2,400円+消費税) 人は思いがけないところで繋がる。私がサイデンステッカーさんと知り合ったのは、まったくの偶然のようなもの。初対面で自己紹介しあったとき、名前…

木版はがき:泰山木

木版画「泰山木」 200円 梅雨時の晴れ間などに、電車の窓から何気なく線路際を眺めていると、突然、黒っぽい緑の葉の上に大きな白い花が咲いているのが見えて、ハッと気持ちが揺さぶられるときがある。これが泰山木(たいさんぼく)である。花も大きいが、木…

木版はがき:ホタルブクロ

[ 木版はがき「ホタルブクロ」 150円 「温暖化」は、さしたる深い洞察もないままに最近はメディアに氾濫した格好だが、花々の様子を伺っていると、その足音がひたひたと近づいてきているのが分かる。なんといっても、まだ入梅になったばかり、しかも早目の入…

木版はがき:てるてる坊主

木版はがき「てるてる坊主」 150円 東京もいよいよ入梅か。 今朝の新聞では、梅雨はインド方面での大気の動きがはるか日本にまで影響して起こるものらしい。国境とは無縁に変化する大気の動きが、われわれの季節を支配している。 梅雨だから、と分かっていて…

木版はがき:ガクアジサイ

木版はがき「ガクアジサイ」 150円 同じ種類の花を続けて紹介するのはいかがなものかとは思うが、版画の制作法の対比で見ていただくと参考になると思うので、あえて取り上げよう。 5月24日紹介したのは大きな塊になって咲く紫陽花だったが、今日紹介するのは…

木版はがき:紫陽花(あじさい)

木版はがき「紫陽花」 200円 ニュースでは、沖縄地方が入梅したそうである。例年より遅いと報じていたが、東京に住んでる者には早いという気がした。今年は五月晴れの日々が少なく、曇天が続いていた関東地方だったから、薫風さわやかな初夏を満喫した気がし…

木版はがき:どくだみ

木版はがき「どくだみ」 150円 五月も半ばを過ぎたので、早いところでは、もう「どくだみ」が白い十文字の花を咲かせている。やや隠花性の植物だが、場所によっては、陽盛りの中にも育つ。葉の付け根のところで茎の向きが独特に方向を変えるので、姿に特徴的…

木版はがき:てっせん

木版はがき「てっせん」 200円前回、初めてのブログだったので操作方法もあやふやなままに、 試しに「てっせん」の画像を取り込んでみたら、枠をはみ出すように挿入されてしまった。そうか、スキャンしたままではだめなんだな。 先日、知り合いに教えてもら…

苦闘の末の初登頂

何とかブログを立ち上げたいと思いながらも、 なんだかんだで年が替わり、すでに夏である。春先に、梅田望夫さんの新書を何気なく手にとって読み出してみたら面白く、何冊か読破した。 という言い方はレトリック。流し読んだだけ。しかし、そこで氏が「はて…